2024年、ジェロニモス修道院が好きすぎて二回目の訪問をしました。観光名所揃いのリスボンにあって、最も観光客が集中する場所こそ世界遺産のジェロニモス修道院。
ジェロニモス修道院といえば、華麗で荘厳な回廊。この回廊をじっくりゆったり眺めたり、記念撮影したりしたいなら、絶対に朝イチに行ったほうが良いです。なぜなら、長〜い回廊を独り占めできるから。
ジェロニモス修道院は入場時間帯指定がありません。つまり当日のチケットを持っていても、全員入場列に並ぶ必要があります。当然ピーク時間帯に行こうものなら長蛇の列。修道院内部は広いので、ピーク時間でも人だらけ、ということにはならないですが、誰もいない回廊を見たり撮影したりしたいなら、朝イチしかチャンスはありません。
本記事では、事前準備から朝イチの回り方、注意点、見るべき順番まで、実際に撮影した写真とともにすべてお伝えします。
事前準備
チケットは前もって準備しておきましょう。ジェロニモス修道院のチケットは公式サイトが無くわかりにくいので、当日買う人が大勢居ます。事前に買っておけば、当日はジェロニモス修道院入口の列に並んでそのまま入場することができます。
チケットの買い方は以下2種類です。好みや予定に合わせて、どちらにするか検討しましょう。
リスボアカード
リスボアカードはリスボン市内の様々な施設へのフリーパス+バス・地下鉄フリー乗車がセットになったカードです。リスボアカードを買っておけば、ジェロニモス修道院へ無料入場でき、リスボアカード自体が入場チケットの代わりになります
今回私たちもリスボアカードを使って、リスボン市内を旅行しました。
リスボアカードで割引になる施設も大量にあるので、予定や目的と照らしてメリットがあれば、リスボアカードを選択しましょう。というか一般的なリスボン観光なら、たいていリスボアカードを選択したほうがトータル安くなると思います。
リスボアカードには24時間券、48時間券、72時間券の3種類がありますので、訪問予定の施設数や滞在日数で選びましょう。
ジェロニモス修道院の横にあるベレンの塔やリスボン中心部のサンタ・ジュスタのリフト、大規模美術館のアルテアンティカ美術館なども無料で入場できます。
ジェロニモス修道院入場チケット(日付指定)
地下鉄やバスにあまり乗らない方や他の施設に行く予定が無い方は、ジェロニモス修道院の入場チケットの単体購入が良いと思います。価格は16ユーロです。当日は、入場口で並んで、係の人に予約確認書(メールかアプリ)を見せるだけで入場可。
営業開始の15分前(9時15分)を目処に到着し、並ぶ
朝イチといっても、並び始めるのは営業開始の15分前くらいで十分です。ジェロニモス修道院の営業開始時間は季節によらず9:30なので、9:00 – 9:15くらいを目処に並び始めると良いです。上の写真は9:27のものですが、人の並びはかなりマイルドで、これくらいなら一瞬で入場できます。
また、並ぶときは大聖堂(無料)への入場口ではなく、回廊への入場口に並びましょう。
ジェロニモス修道院には入口が2箇所、並ぶように有ります。上の写真で集団が2グループ見えますが、有料の回廊への入口は奥側です。手前はサンタ・マリア教会(無料エリア)への入場口です。間違えないよう注意!
【後で戻れる】入場したら、すべて無視して回廊へ向かう
入場するなり教会が見えたり、美しい階段の踊り場があったりと立ち止まりたくなりますが、すべて無視して特急で回廊へ向かいましょう。回廊エリアから出なければ、後で戻れます。
回廊へは一直線なので、ひたすら突き進みます。
【撮影タイム】1階を一周したら、0階(地上階)にすぐ行く
順路に従って進んでいくと、回廊の1階(日本でいう2階)につきます。回廊に到着するとまずは撮影タイム。ぐるっと一周して、記念撮影しまくりましょう。
回廊の長さは一辺が55mととても長い。人ひとり居ない回廊を撮影するチャンスは朝イチの今しかないので、回廊を進むごとにシャッターチャンス目白押しです。
地上階の中庭にも、当然誰もいません。1階をぐるっと周ったら早々に0階(地上階)に行ってみましょう。
0階は完全な独占状態で、例えばこんな写真↓も撮れます。
見学はゆっくり後からできるので、まずは0階も含めて、足早に写真撮影をしてしまうことが重要です。
撮影タイム後、1階や飛ばした箇所に戻ってじっくり見学する
一通り記念撮影を終えたら、来た道を戻って1階の回廊や食堂、飛ばした階段の踊り場などを見て回ります。
一般的な修道院と比べて大きすぎるジェロニモス修道院。それを構成する柱一本一本に張り巡らされた緻密で華美な彫刻装飾は圧巻。
ジェロニモス修道院は大航海時代のポルトガルで勃興したマヌエル様式の代表例かつ最高傑作。マヌエル様式の特徴は装飾にあって、総じて華美で、鎖・ロープ・波・サンゴ・海藻・インドやアフリカの動植物など、海や航海のモチーフを多用していますから、彫刻をつぶさにみてみると、確かにそれがわかり面白い。
ジェロニモス修道院は旧ポルトガル王家の霊廟で、マヌエル様式の名のもとになったマヌエル1世もジェロニモス修道院(の、次に紹介するサンタ・マリア教会内)に葬られています。
回廊エリアから出て、そのままサンタ・マリア教会へ向かう
見学を終え、0階の出口を抜けて外に出ます。これにて有料エリアの見学は終了。有料エリアの見学所要時間は1時間〜1時間半ほどです。この頃には回廊入口は長蛇の列ができているはず。
で、その足でジェロニモス修道院の大聖堂「サンタ・マリア・デ・ベレン教会」に向かいます。こちらは誰でも入れる無料の施設です。教会の開場時間は10:30なので、この流れならちょうど教会が開く頃に入ることができます!
教会の入口は結構な列ができていますが、無料なので流れが速いため、10分ほど待てば入ることができました。そして巨大な聖堂空間に一歩足を踏み入れると、まず奥行きと絢爛な装飾に圧倒されます。
マヌエル様式は後期ゴシックから続く様式なのですが、サンタマリア教会は広い内部空間・高い天井・細長い柱など、ゴシック様式の特徴がわかりやすく現れています。
ポルトガルでは、分節された空間は好まれなかった。そして、このポルトガルの独自性が最もよく表現されたのがジェロニモス修道院である。ゴシックの装飾をまとってはいるが、軍の技術は聖堂の壁を厚くし、ロマネスクの修道院をも越えている。一体化した聖堂空間は、小さなアプスに視線を集約されるのである。
ポルトガルにおけるバロック様式の成立過程に関する研究 (1999) 要旨より引用
祭壇一つ一つの装飾がすごすぎてもうお腹いっぱいと言いたいところですが、サンタ・マリア教会には「ここに地終わり、海始まる」で有名な詩人カモンイスと、誰もが知る航海者ヴァスコ・ダ・ガマの霊廟がありますのでそちらも必見。
まとめ
かつて大航海時代に栄華を謳歌したポルトガル、その権勢をもっともよく表したジェロニモス修道院は名実ともにリスボンナンバーワンの観光スポット。事前準備を悉皆行い朝イチで訪問して、誰も居ないジェロニモス修道院をたっぷり満喫しましょう。
ちなみに、ジェロニモス修道院のすぐそばには、超有名なエッグタルト(ナタ)屋さんのPasteis de Belemがあります。
観光ついでに、こちらでおやつ代わりにエッグタルトを試してみるのもおすすめです。
コメント